Assumption Cathedral

อาสนวิหารอัสสัมชัญ

Bangkok, Thailand バンコク、タイ


”ポルトガルとフランスが結んだネオロマネスク建築”

ローマカトリックの伝播はアユタヤ王朝時代、日本と同じようにポルトガル人の到着から始まった。時代は移り、このアサンプション教会の歴史はタイ・ポルトガル両方の血を引くパスカル神父が集めた1800年代初頭の寄付から始まり、1821年にまだ今の形ではない、初代の大聖堂が完成した。布教のイニシアティブがポルトガルから徐々にフランスへ移っていったその後、1910年になってから身元不詳のフランス人建築家により現在の姿の新しい双塔の大聖堂の建造が始まり、8年の年月を経て1918年に完成した。建築材料や装飾品はフランスやイタリアから運ばれてきたという。その規模はバンコク随一で現在もバンコクのローマカトリック界の中心的存在であり、タイを訪れた教皇ヨハネパウロ2世を迎えた。外国人向けに英語のミサも執り行われている。建築様式はネオロマネスク、またはロマネスク・リヴァイヴァルと呼ばれるもので、教会建築として発展したゴシック建築以前の様式を甦らせたものだ。身廊と呼ばれる礼拝堂の中心部分は東西方向を貫き、ファサードは西を向く。全体に開口部は小さめで入口や窓のアーチはゴシック建築のように尖っておらず半円形をしている。Lombard bandと呼ばれる、建物上部の輪郭にある帯状に連なった壁面の凹凸もその特徴だ。個人的な印象では東京の一橋大学兼松講堂ほか校舎にも似ている雰囲気があると思うのだがいかがだろうか。こちらは教会なのでファサードの大きなバラ窓は目立つけれど、オリジナルのロマネスク建築もゴシック建築のような重厚さはあまりなく、この大聖堂全体はより簡素化されたデザインになっていると思う。天井の構造自体も、半円のアーチがトンネル状に続く筒型ヴォールトで造られている。しかし、内部の装飾はその外見と違い、側廊には多色のステンドグラスが続き、形状はシンプルな天井も繰り返す金色の星の文様で全面が荘厳に飾られ、柱頭も金色の緻密な装飾を施されている。足を踏み入れた途端、荘厳な空気に圧巻され息を吞む。アサンプション教会の敷地は広大で、カテドラルの前は広い駐車場となり、敷地内にはいくつかの名門の学校施設などが置かれている。他に歴史建築としては大聖堂の横にアサンプション修道女院、真正面に元インドシナ銀行(Banque de l'Indochine)のビルがあり現在は教会の事務所になっている。

エントランスのポーチを横から見る。半円のアーチが続く。






紋章の付いたエントランス。閉まっている状態。
「IHS:Iesus Hominum Salvator」

聖ペトロ像、手にするのは天国の鍵。

ヨハネパウロ2世像。

荘厳な天井。

2階のバルコニーを見上げる。美しいアーチの連続。

側廊の上部にバルコニーが続く。

聖母マリア像と天使。


祭壇。

息を吞む。

振り返ってバラ窓を見上げる。

イエスや聖人の物語を絵にし、
文字は使わずとも光で聖書の教えを可視化した。