Asiatique The Riverfront

เอเชียทีค เดอะ ริเวอร์ฟร้อนท์

Bangkok, Thailand バンコク、タイ

”倉庫群の遺構に見つけた栄枯盛衰”

チャオプラヤー川沿いに貿易の本拠地を造ったThe East Asiatic Companyという、デンマークの海運企業の巨大な敷地の倉庫群を改装したテーマパークである。川に面した蒲鉾型屋根の倉庫のファサードにも社名は繰り返し書かれオマージュとして残されている。1970年代過ぎまでは、バンコクとコペンハーゲン間の貿易や多角経営で栄華を極める様相を呈していたが、徐々に海運業は下り坂となり2000年を待たずして業務は縮小、マンダリンオリエンタルホテルそばの大きなビルの事務所は移転し、企業自体も売却や再編で姿を変えてしまった。倉庫群を使って主な外国人観光客を呼ぶには綺麗に整えるしかない訳で、テーマパークとなった倉庫自体に感慨深いものは最早ほぼ残っていない。それでも、「The First Power Crane」と呼ばれる荷揚げに使ったクレーンや、「บ้านคุณย่า=Baan Khun Yaa」、直訳するとお婆さんの家と呼ばれたコロニアル建築の建物が残されていているのが見つかる。オレンジ色のクレーンは、川べりの一番左側に残されていて、意外にも小さいものであったが武骨さがあり、今も水面に向かってフックを下げている。横側にHenry J Colesと社名があるが、1880年頃からクレーンを造り始めたイギリスの企業の製品である。コロニアル建築の建物はレンガとモルタル造りの2階建てで、バルコニーの日除けがついている。外に階段があるのだが樹木と屋台が出ていて上手く撮影できない。屋根は崩壊しかけていて地上からも空がちらりと見えていた。この建物も川沿いに近い蒲鉾型屋根の倉庫のそばに立っている。どうやら倉庫ができる前よりもあり、港湾事務所として使われていたらしい。なぜ1軒だけ手つかずで残されているのか意図も不明である。このテーマパークの中ではないが、前述のThe East Asiatic Company Buildingがマンダリンオリエンタルホテルの斜向かいに現在も残っているので、併せて見るのも良いかと思う。この白く美しいヴェネチアン・ルネサンス様式のビルは原形をまだ保ってはいる。

レンガ造りの川べりにあるかまぼこ型屋根の倉庫群。
中はレストラン等に改装されている。

通路部分の湾曲した半円筒状の屋根。

โกดังはタイ語で倉庫のことである。

レンガ造りの三角屋根の倉庫。
通路に日除けの屋根が架かっていて屋根がよく見えない。


テナントのいない空家の中。
だいぶ長い間使われていない雰囲気。

こちらは綺麗なので、おそらくテナントが出て行ってから
時間があまり経っていないようだ。

頭頂部にベンチレーションの高窓が付いた倉庫。
三角形と半円の2パターンが交互に並ぶ。



鉄骨が剥き出しの開放的な倉庫。中は店舗だけれど、
空気は殆ど屋外と変わらない。



手を加えられていない遺構。


朽ち果て感がよい雰囲気。

荷揚げのクレーンがそのまま残されている。

このような遺構が好きである。
行ってみると実物はとても小さいものである。

元タイ海軍の船。