My Grandparent's House

唐源合 บ้านอากงอาม่า

Bangkok, Thailand バンコク、タイ


”ゆったりと流れる河を眺め、時を重ねた古民家”

チャオプラヤー川岸のぎりぎりに迫って、1929年頃に建てられた寄棟屋根をもつ木造の古民家が建つ。バンコクのその昔の時代、生活の中心はこの川にあったのだと分かるほど水辺に迫り、また近辺のメインストリートのSomdet Chao Phraya通りからはずいぶんと奥まった場所となる。中国語でかかれた屋号の看板「唐源合」も、川を行きかう船に向かって存在を示しているようだ。とは言いうものの、今では船に頼る生活も最早なく、目の前の駐車場は隣と向かいに分かれて建つ関羽を祭る廟(Guan Yu Shrine)へ礼拝に訪れる人々の車でいっぱいである。左横にはバンコクで数少ない、閩南建築と中国の伝統的な三合院建築を併せ持つ貴重なThang Nguan Hah Heritage Houseと呼ばれる住居が別にあり、どちらもここで魚醤、タイのナンプラーを製造していた潮州系移民の唐家の住居である。魚醤工場として使っていた三合院の後にできたこの木造建築はより川沿いに建つため、チャオプラヤー川を使った魚醤運搬に支障が出てしまい唐家が不便の解消のために1989年になって買取をしたといういきさつがある。三合院の門は現在閉ざされてしまっているが、こちらの木造民家はカフェとなって開放されている。カフェへ改装といっても見た限りほぼ過去の形状を保っているように見え、煤け、剥げ、少し朽ちたような木の壁は錆びた銅のような色合いをしている。エアコンは無くても風通しはよく、川面の真横というより真上でゆっくりとコーヒーを飲めるのはなかなかよいものだ。タイ語の店名「บ้านอากงอาม่า」は中国系タイ人に伝わる家族の呼び方で、父方の祖父をอากง(アーゴン)、祖母をอาม่า(アーマー)と呼び、その家บ้าน(バーン)という意味である。


ここでは見えないが、
小さな倉庫を挟んで左に三合院建築の住居がある。

大きく「唐源合」の字。これは別の日の朝、
カフェの扉が閉まっているうち桟橋から撮影。

靴を脱いで上がる廊下はひんやり。


すぐ傍にチャオプラヤー川の流れが迫る。
水位が上がる雨季はどこまで水が来るのか。



黒糖のかかった仙草ゼリー。

この桟橋へ出ると逆に川の方から店が見える。

外の壁。いい色。





รวงทอง(Ruang Tong)ブランドのナンプラー。右隣は酢。
ラベルには中国語で「唐源合有限公司」とある。