โบสถ์กาลหว่าร์
Bangkok, Thailand バンコク、タイ
”高く祀られた陽射しに輝く聖母像”
チャオプラヤー川に向かい建つ、力強く美しい尖塔とファサードを持つカトリック教会である。Kalwar Churchとも呼ばれていて、タイ語ではカラワーに近い発音だが、Calvariaというラテン語由来のタイ語で、日本語での通称であるゴルゴタの丘を指す。ゴシック・リヴァイヴァルの建築様式で造られ、ファサードは3個の尖頭アーチで区切られており、左右アーチは上に丸いバラ窓、真ん中のアーチは三角のペディメントに四つ葉のレリーフ、上にバラ窓と聖母を祀っている。西にエントランスを向けた長方形で、東側に翼廊と呼ばれる突き出ている部分があり、上から見ると十字形になるバジリカと呼ばれる形状である。全体は東西、そして塔は高く上に向かう、基本的な教会建築と見える。内部は側廊はなく、天井はトンネル状に続く筒型ヴォールトで分割されたデザインで星が描かれている。教会の歴史は古く、アユタヤに定住していたポルトガル人のコミュニティがビルマとの戦乱後にバンコクへ移住し、対岸のトンブリー側になる現在のKudi Chin地区と、このTalat Noi地区に分かれることになった。フランスとポルトガルのカトリック宣教師の間には確執があり、フランス人の神父がイニシアティブを握っていたKudi ChinのSanta Cruz Church側に従うことはできなかった人々もいた。そのためTalat Noi側でコミュニティを作り、1787年に木造の教会を建てたことがHoly Rosary Churchの創始となる。以降、1839年に2番目の教会が奉献されるが、1864年に火災にあってしまう。そして、1891年から教会の再建が始まり1897年に新しい現在の姿の教会が奉献された。礼拝者はこのTalat Noiに住む中国系移民へと徐々に移り変わって行ったようで、祭壇上の大きなアーチには「至聖玫瑰之后為我等祈」、エントランスの3個のアーチ上には「暁明之星」「天主聖堂」「上天之門」と書かれた中国語が見える。現在は地元の中国系タイ人の為の潮州語のミサも行っており、ポルトガル、中国とゴシック建築の異文化ハイブリッドは当時から現代まで続いている。
側壁上部には鋭角の小尖塔が続く。 |
エントランス側の台形の張り出し。 |
翼廊と呼ばれる祭壇側の長方形の張り出し。 |
エントランスのポーチを側面から見る。尖頭アーチが続く。 |
「暁明之星」 |
「天主聖堂」 |
「上天之門」 |
エントランスを内側から見上げる。 表からは見えない、ステンドグラスの色彩。 |
祭壇頭上のアーチには「至聖玫瑰之后為我等祈」。 |
聖母マリアとイエス、ロザリオを受け取る聖ドミニコと聖カタリナ。 左端は聖ヤコブ、右端は聖ベネディクト。 |
ステンドグラスが美しい。 |
ゴシック様式のアーチとステンドグラス、上部にバラ窓。 上の側壁画像にある長方形の張り出しはここ。 |
説教壇。 |
後ろを振り返る。 3箇所のエントランスと、頭上にバルコニー。 |