Krungthep Bridge

สะพานกรุงเทพ

Bangkok, Thailand バンコク、タイ

”もう開くことも少ないタイ唯一の可動橋”

このKrungthep Bridgeは、バンコク市内のチャオプラヤー川に架かる4本の鋼製のトラス橋の中で、一番下流に架かっている。日本の鉄道車両メーカーで鋼橋も製造していた富士車輌が施工し、1959年に開通した。おそらく全体ではなく橋梁の上部構造のみであると思う。同社はインドネシアでも橋を架けているが基礎などの下部構造は別のゼネコンが施工していた。トラスは曲弦ワーレントラス橋梁と呼ばれる上弦が湾曲した構造なので、近くで見ると構造は武骨であるけれど、遠目で連続したトラスを眺めると優雅で美しい。実は東京の勝鬨橋と同じく、橋桁が中央で跳ね上がり大型船を通す跳開橋と呼ばれるタイ唯一の可動橋だ。上流のMemorial Bridgeも同じく跳開橋であったが、今は完全に固定されており可動のメカニズムはなくなってしまった。宿命となる問題であるが、当然船を通す際に交通規制で大渋滞を引き起こすため、今はもう可動することは殆どない。そうでなくとも渋滞が続くため、上流側すぐ横にはるかに高さのあるRama III Bridgeを新しく架けている。大型の貨物船はこの橋より下流のクローントゥーイにあるバンコク港や、チョンブリーのレムチャバン港を使うため、今でも開閉する機会が見られるとすると軍用の艦船が通る時、最近ではメンテナンスや上流の造船所であるBangkok Dock Companyの船が通る時に開いている。聞いたところ、一昔前は今と違って時折跳ね上がっていたそうである。東京の勝鬨橋でも同じではあるだろうが、バンコク在住のタイ人でも知らない人もいる。過去の開閉時であるがインターネットの新聞記事で告知をしているのを見たので、よく調べていれば見られるかもしれない。橋の手前にも、告知をするための案内板が上下線ともにある。いつもは暑いタイで長い橋をわざわざ歩くこともなく、偶然可動橋であることを知ってから訪れて、気が付いたことが幾つかある。よく見ると前述の案内板以外にも橋の途中に信号機や車の遮断板やおそらく開閉の制御室だと思う小さな小屋など見慣れない設備が確かに色々とあった。

下流側の歩道をトンブリーに向かって歩き始めて、
振り返る。

最初のスパンのトラス。

2個目のスパンのトラス。

橋を跳ねる時に交通を止める信号機。

3個目、可動する真ん中のスパンでトラスはない。

ここから先が跳ね上がる。
曲線の流れが美しい。

ここが真ん中。橋が切れている。


橋の切れ目の隙間から水面がチラチラと光るのが見える。

ここが開閉の制御室であると思う。
手すりを見れば分かるが、橋桁は要塞のように太い。

開閉部分を振り返る。

可動部の手前で車をブロックする遮断機がある。
景色の向こうにAsiatique The Riverfrontの観覧車。

対岸のトンブリー側に着いた。来た道を振り返る。

上流側歩道へ移る。橋の開閉をお知らせする案内板。
いつ、何時と掲載される。見てみたい。

上流側は隣に新しく遥かに高いRama III Bridgeがある。


上流側の歩道をバンコク市内中心側へ戻る。
この鉄柵は歩行者をブロックする。

真ん中の切れ目に戻ってきた。

橋の袂の公園から。丁度船が橋をくぐっている。
制御室らしき橋の上の小屋も見える。