Mother Roaster

มาเธอร์โรสเตอร์

Bangkok, Thailand バンコク、タイ


”ネジやバネの山をかき分けて・・・とまではいかないが”

Talat Noi地区、チャオプラヤー岸側へ続く路地の中ほどに奇妙な民家がある。2階は格子造り木造で、1階は落書きがペイントされたコンクリートの壁の前に機械の部品が並んでいる。落書きの中には店名の「Mother Roaster」とも書いてはあるので、あらかじめ知っていればここがカフェの入り口であることはわかるのだが、何も知らなければ開いた扉から中を覗いても薄暗いだけだ。自動車部品の倉庫だったようで、ケーブルが垂れ下がり、鉄のネジやバネやチェーンや車輪等が山積みになっていてとても商いをしているようには見えない。タイでこれを知る人はいないと思うが、個人的に好きだった美術家の故三上晴子氏の作品のようである。そのジャンクの山をかき分けて、とまでいかず道らしき道はあるので、そのまま中に入り突き当りまで進む。その先の階段を上がると、下から見上げた格子のあるバルコニー状の廊下になっており、そこが店舗の入り口になる。この過程がなぜコーヒーに繋がるのかは全くよくわからないのだが、とにかく、店舗内は同じようにして辿り着いた客で溢れていた。元々は少し離れた通り沿いの小さなカウンターのコーヒースタンドであったのだが、当時からバリスタであるMotherの淹れるコーヒーは有名で、この場所へ移転し規模の大きい店舗になった。「Mother Roaster - Ghost Gate」の章で紹介したように、店を率いていた本人はその2号店であるGhost Gateの店舗へ移ったため今はもうここにはいない。それでもここのコーヒーの評判は変わらぬようで、平日であってもなかなか写真が撮りづらいほどの客がいて賑わっていた。

これがカフェの入口なのであるが、少し躊躇する。

1階は古い民家の倉庫部分。

ジャンクの山、三上晴子の作品風。

入口から続く道を奥まで行き、階段を上る。

チャオプラヤーの川面の光が映るいい瞬間。


こういう色が好きなのだけれど、
それはもう我ながら十分わかっている。

深い緑に塗られている。

いろいろな産地の豆が保管されている。


客がいっぱいいて、写真は撮れないので天井が続く・・・。

前だけ人がいなくなった。

なんだろう、通気の格子だけ残して、
並んだ小部屋の壁をぶち抜いたのかな。

ここのコーヒーは深いのだが、
キリッとした透明感のある味が強い。