Bumrung Nukulkij Printing House

โรงพิมพ์บำรุงนุกูลกิจ

Bangkok, Thailand バンコク、タイ

”仏具街の奥に眠っていたタイ最初の印刷所”

バンコク旧市街の仏像通りとでも言えばよいのか、仏具や仏像を取り扱う店が並ぶBamrung Mueang通りの路地を入ったところに、歴史建築が残されていた。1895年に造られたタイで最初の印刷所とされている。駐車場となった空き地の奥にマスタード色に黒い屋根、アーチ型の窓が並ぶ建物がどっしりと建っているのであるが、近づいてみるとなかなか繊細な技巧が施されていて目を奪う。ヴィクトリアン様式に影響を受けており、寄棟造りのタイル屋根の軒は一直線にジンジャーブレッドトリムで装飾されている。2箇所ある玄関扉の上は木製で幾何学的な穴の文様と、植物文様と幾何学的な文様の透かしを組み合わせたトリムで飾られている。タイの歴史建築はこのトリムを全面に多用することが多い気もするのであるが、ここはそれほどでもなく、いい塩梅だ。内部は3分の1程に区切りをつけてカフェがあり、3分の2は何もない状態で階段と、鋼鉄の梁とそれを支える鋼鉄の柱が並んでいる。階段は幕がかかっていて、そこから見上げると今にも崩壊しそうな感じであるが、おそらく本当にそうなのであろう。撮影時は何もない日を選んだが日によっては展示や、カフェのテーブルが出ていることもあった。ガラスで仕切られてエアコンの効いたカフェ側は、Silpa Bhirasri's Houseという歴史建築家屋の一部を間借りしていたCraftsmanというカフェで、こちらに移って営業をしているようだ。中の壁の色もなかなかいい味を出していて、この建物自体、いつまで開放されて見られるものなのかわからないが機会があれば是非見て頂きたい。






2階の窓のアーチの上に植物文様のスタッコの装飾が見える。


4隅に植物文様のスタッコの装飾も見える。

天井の梁を支える鋼の柱が並ぶ。

白い覆いの奥に階段がある。




2階へは上がることができない。
たくさんの人を上げるには床が耐えられないのであろう。


カフェ側にはガラスの仕切りとドアがありエアコンが効いている。
正面は外からのカフェのドア。

キッチンはSilpa Bhirasri's Houseで使っていたユニットを
そのまま持って来たのだろう。